過敏性腸症候群(藤沢・32歳・男性)

過敏性腸症候群(IBS)は鍼灸で改善します。発症したらなるべく早く専門の鍼灸を受けてください。

患者

病名:過敏性腸症候群(IBS)

性別年齢:男性・32歳

住まい:藤沢市

お仕事:デスクワーク

過敏性腸症候群の症状

・下痢と便秘が不規則に起こり、下痢の場合は日に何度も排便をしないと落ち着かない

・その他、動悸、胸の圧迫感、喉のいがいが感(ヒステリー球)、抑うつ状態、顔や手足のほてり、不眠など

問診などで幼い頃から今までのお話を伺っていると、もともと自律神経が強い方ではなかったようです。アレルギー体質などもあり、試験や試合などのストレスがかかったりすると消化器系の症状として出ることが多かったようです。見た目は非常にがっちりしていて屈強に見えるのですが、自律神経というのはフィジカルな強さとは全く関係がないのです。軟便気味であったり。

社会に出た頃から社会人としての生活と自分の生き方に不一致を感じながらもモチベーションをなんとか高めながら働いいたようです。そして社会に出てから5年ほど経ったあたりで部署異動となり質・量ともにハードな仕事になったそうです。また新しい上司とも人間関係が合わず悩みながらお仕事をされていました。そのような状況の中で下痢や便秘が不規則に現れるようになり、下痢の時は何度もトレイに行かなくてはいけないため仕事にも支障が出ていました。朝出社する際もトイレから離れられず遅刻することもあったそうです。また同じ時期から動悸や胸の圧迫感、喉の閉塞感なども出るようになり全身が言葉で表現できないような不快感を感じることが多くなったようです。仕事に支障が出るので内科に2院ほど通院し、高分子重合体(ポリカルボフィルカルシウム)や消化管運動調整薬などを処方されるも、飲んだ時に少し症状が変わる程度で全く治る気配がしないことに焦りを感じていたようです。

そんな中で鍼灸が色々な体の問題に効くこと書籍を通して知り、ネット経由で当院にご相談いただきました。

過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群は自律神経失調症の症状の1部である場合がほとんどです。つまり過敏性腸症候群だけが症状として出ている人の方が稀だと思います。この患者さんについても動悸や胸の圧迫感、顔や手足のほてりなどの症状をお持ちでした。

原因として考えられるのは、もともと自律神経が強い体質ではないこと、それに加えて過度のストレスが長期的にかかり過敏性腸症候群を発症したということです。また症状が出て仕事やプライベートなどに支障が出ることで、そのこと自体がさらにストレスになります。こうして悪循環に陥ってなかなか治りにくくなってしまう患者さんは多くいらっしゃいます。

そして原因として意外と思われるものとして「首こり」も挙げられます。いぜんいん首こりの記事でも書きましたが、慢性的な首こりはうつ病や自律神経失調症などの症状を出したり固定化させる原因になります。関連記事:首こりの危険性・対処法

この患者さんも例外ではなくひどい首こりの症状をお持ちでした。ただご本人はさほど気にしていないようでした。

過敏性腸症候群の鍼灸治療

この患者さんは副交感神経緊張タイプの自律神経失調症だと思われました。自律神経失調症の8割以上は交換神経緊張タイプなので、比較的珍しいタイプかもしれません。ただ副交感神経緊張タイプと言っても、日や時間帯によって体の状態が自分の意志とは別に多くき動いてしまいます。1日の中でも交換神経が緊張して興奮してしまうこともあるわけです。不眠傾向があるのはそのあたりが原因かと思われました。

いずれにせよ過敏性腸症候群を治すというより、自律神経全体を整える治療をします。具体的には頚部の首こりのあるつぼ(天柱、風池、完骨)、背部の内臓に関係のあるつぼ(脾兪、胃兪)、頭部や手首にある心の状態を整えるつぼ(百会、太陽)などに針治療を施していきます。ご本人は治療中に何をどうされているのか全くわからなかったと思いますが、初診の治療の直後からここ数ヶ月感じたことがなかったような全身の気持ちの良さを感じていただいたようでした。それは患者さんの明るい表情に表れていてこちらも嬉しくなったのを覚えています。その後2ヶ月ほどは2週間に1度のペースで来ていただき、3ヶ月目からは月に1、2回の治療を続けました。治療をするごとに下痢や便秘だけでなく、動悸や喉、不眠などの症状も落ち着いていったようです。

このケースのように過敏性腸症候群を抱えている方は現代では非常に多いと感じます。そして病院の投薬治療でも治っていないとも実感します。薬で一時的にお腹の不快感が軽減されるだけで、他の自律神経症状は治りません。当たり前ですが薬は対症療法です。本来は自律神経全体を整える治療が必要になるのですが、西洋医学でそのようなことはできないのが現状です。一人でも多くの人に鍼灸が自律神経症状を整えることを知っていただきたいです。ただ、自律神経失調症の鍼灸治療ができる治療院は非常に稀だと思っています。多くは肩こりや腰痛などの治療が多いため、自律神経系の治療の経験がないのです。藤沢、辻堂、茅ヶ崎などで自律神経失調症や過敏性腸症候群でお悩みの方はなるべく早く当院にご連絡ください。

その他補足

◯飲料水について

稀に水道水の質の問題で過敏性腸症候群を増悪させていたりする方がおられる印象を受けます。日本の水道水は安心なのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には水道水に対する胃腸の反応は個人差があります。特に過敏性腸症候群を発症してしまう方は劣化した水道管から流れてくる水や塩素に反応してしまいます。もし試したことがないようでしたら2週間ほど飲料水や食事に使う水をすべて日本の軟水に変えてみてください。多少なりとも効果が出る可能性もあります。水については高級なものである必要はありません。ネット通販などで売っている軟水の弱アルカリ性のもので良いと思います。

◯水を大量に飲む健康法について

近頃はあまり見かけなくなりましたが、一時期メディアでも口コミでも水は1日に2リットルは意識的に飲んだ方が良い!というおかしな健康法が喧伝されていたことがあります。現在でも患者さんで水を大量に摂取されている方がいて過敏性腸症候群や自律神経失調症の症状を悪化させている方がいます。

これは絶対にやめていただきたいです。砂漠や乾燥地域にいない限り、人は水が必要であれば生理反応で喉が乾くようにできていて、喉の乾きに応じて水を摂取するのが当然のことです。喉も乾いていないのに食物以外から2リットルもの水を飲むというのは体調にマイナスの影響を及ぼすケースがあると思います。とくに腎臓に負担がかかることと、体全体の冷えにつながってしまうことです。必要以上に水分が体内にあれば腎臓を通じて尿がたくさん出ます。その際に腎機能は疲弊しますし、頻回の尿によって体温が頻繁に奪われてしまいます。実際に当院の患者さんで大量摂取されていた方の多くが体の冷えを抱えており、それによって体調を崩されておりました。現代医学的にも東洋医学的にも体を必要以上に冷やしてしまうことはマイナスであることは言うまでもありません。夏の猛暑のときなどはいつもよりもこまめに水を飲むことは問題ありませんが大量に飲む必要はありません。

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