坐骨神経痛(Sciatica)の患者さん(葉山・70代半ば)

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坐骨神経痛の鍼灸治療に関するエビデンス

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患者

年齢・性別:70代半ば、男性

住まい:三浦郡葉山町

職業:デイサービスの送迎

主訴

(1)右臀部奥(お尻)の強い痛み

(2)下腿内側表面(膝の下の内側からくるぶし付近まで)のしびれ

発症の経過

患者はここ数年来アルバイトでデイサービスの送迎をしていました。ご本人は自覚がなかったようですが、運転というのは臀部(お尻)の筋肉や腰に大きな負担がかかり慢性的な筋緊張を生みやすい仕事です。日常の運転動作の中で患者の臀部の筋肉は徐々に緊張度を増していったと考えられます。特に右臀部はアクセルやブレーキを使う足の関係で特に障害を起こしやすいのです。あるとき大きなくしゃみとともに右臀部に激烈な痛みが発生して何をしていても痛いという状況になりました。その日の夜はどんな姿勢で寝ても痛みが緩和することなく一睡もできなかったようです。患者は私の身内だったこともあり翌朝すぐに訪問したのです。ちなみにくしゃみでぎっくり腰や坐骨神経痛を発症する例は非常に多いのです。くしゃみは強い腹圧をかけるので腰部や臀部の筋肉を強く収縮させます。そのときにもともと腰部に筋緊張を持っていたりすると筋繊維が微細に切れたりか緊張を起こして痛みを発生するわけです。

診察

問診:

運転を週に4日以上しているようでした。1日3時間ほどです。そして意識してみると運転動作の中でアクセル・ブレーキ操作をする過程でお尻の奥の筋肉を使っていることに気付いたようです。

触診:

腰部に圧痛点(押して痛い点)や自覚的な痛みがなく、臀部(お尻)の一点に集中していました。坐骨神経が骨盤の中から出てくる部分である梨状筋下孔付近でコリコリとした硬結(コリ)に触れることができ、このコリが坐骨神経を圧迫して下腿のしびれを起こしていると考えられました。またその臀部のコリ自体はくしゃみによる急激な筋収縮で炎症を起こし痛みを発生しています。

治療と予防

患者は一睡もできずに一夜明けて、10ぐらいだった痛みが5ぐらいになっていたようです。これは炎症反応が引いて来たためだと思われます。

治療は内くるぶし付近と臀部のツボへ鍼灸治療を実施しました。臀部への鍼を打ち5分ほど置鍼して抜鍼したところ「おどろくほど軽くなった」と言っていました。ただしびれは少し残っていましたが次の日には小さくなっていたようです。

そして治療的マッサージも合わせて行いまいた。これは前日からの強い痛みによって体が交感神経優位となり、その反射で全身的な筋緊張を起こしていたからです。患者さんによっては大きな痛みが去った後も余波のように睡眠障害や胃腸障害を起こしたりすることがあるのはこのためなのです。一過性の自律神経失調症のような症状を起こしてしまう可能性があるのです。なので、しっかりした医学的知識に基づいて自律神経のバランスを取るためのマッサージをする必要性がありました。

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今回のケースは坐骨神経痛というよりも梨状筋症候群と言ったほうが状態を正確に表現しています。臀部の奥の筋肉である梨状筋が過収縮を起こしたことにより痛みとしびれが発生したのです。つまり今後の予防策としては臀部の筋肉が慢性的に緊張しないようにすることと殿筋群(お尻の筋肉)のストレッチを実施していただくことです。ストレッチに関しては方法を下記に記載しますので、痛みが引いてからソフトに実施してください。次に運転動作の中でなるべく殿筋群を緊張させないためには意識して座り直してお尻の位置を調整することです。また車のシートでもストレッチはできるので実施してみてください。

◯殿筋群のストレッチ方法

1.まず両足のつく椅子に座ります。

2.痛かったお尻の方の足だけ逆側の足のももの上に置いて、片足だけあぐらをかくような状態にしてください。

3.片足あぐらの状態になったらそのまま上半身全体を前屈して胸をももに近づけてください。その時にお尻の筋肉が伸びるように感じると思います。

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【免責事項】

こちらに掲載された事例、体験談は患者様個人の治療成果や感想であって、万人への治療効果を保証するものでないことをご理解ください。治療による効果には個人差があります。