夏の下痢

夏の下痢は軽い運動と鍼灸で解消しましょう。

この記事を書いている2018年の夏は梅雨が6月末に明けてしまうという異常気象に加えて、湿度や暑さも半端なものではありませんでした。そして例年よりも長期的な下痢を訴える患者さんが多くご来院されています。患者さんは普段から自律神経を乱しやすいくいわゆる過敏性腸症候群の方が多いのですが、原因はそれだけではありません。自律神経の乱れがある上に、体内の血液・水分の停滞にあると考えています。関連記事:過敏性腸症候群(藤沢・32歳・男性)

現代の夏の環境は身体の水分の停滞を引き起こしやすいと感じています。水分は取るけど、熱中症を心配して外に出ないことが多いので、水分の出入りが少ない状態と考えてください。室内もエアコンが効いていることがほとんどなので汗はさほどかきませんよね。

川のよどんだ部分と同じで、流れが滞ると水は溢れて停滞し、汚れてしまいます。人間の体内で水が停滞すれば大腸からの水分吸収も滞ります。冷たいものを飲んでいなくても同じことです。

人間というのは古くなったものは捨て、新しいものを造り、、というサイクルをくり返して健全な身体を維持しています。そのサイクルを支える重要な機能として血液循環や水分代謝があり、夏場に起きやすい下痢はこの二つの機能がしている可能性が考えられます。

まずご自身でできることは血液循環や水分代謝の機能を少しでも上げることなのです。

そのためにご自身できることはなんでしょうか?

よほどの持病がなければ週に1、2回以上の15〜30分程度の軽いジョギング(心拍数110以上)をおすすめしています。決してストイックに長時間、早い速度でこなすことはありません。患者さんにもお伝えしているのですが、これはトレーニングではなく、身体のポンプ機能を動かす目的で行うものです。この暑さの中ジョギングなんてとんでもないと思われる方も多いと思いますが、10分程度であれば熱中症になることは少ないと思います。逆にジョギングから帰ってきたときにはスッキリした気持ちになっているのではないでしょうか?

走ることに慣れていない方は当初はジョギングなどをした直後やその次の日などに眠気、倦怠感や疲労感が残ることも多いですが、徐々に身体が慣れてくると思います。

こうしてたまに有酸素運動をしながら鍼灸を併用していたただくとより身体には良いと思います。というのは慢性的な筋肉の緊張がある場合、運動してもうまく血液が循環できないことがあります。特に首や背中のコリです。とくに慢性化している場合は運動をしても硬い筋肉が緩まない場合も多いです。その場合には鍼灸治療がおすすめです。マッサージや整体などで首や背中を施術しても緊張感がすぐに戻ってきてしまうのでおすすめしていません。