鍼灸による好転反応とは?

好転反応という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?ある患者さんが治療を受けたときに一見症状が悪化したような状況になることを言います。マッサージや鍼灸などどのようなものでも好転反応を起こし得ます。中国の古典(尚書)の中にも瞑眩(めんけん)という言葉で紹介されています。「瞑眩せざれば、その疾病いえず」と記されいて「好転反応がなければその症状は治らない」というような意味です。それほど好転反応が重視されているということです。臨床を見ていて個人的に感じるのは長期固定的な慢性疾患の患者さんほど好転反応が出やすいことです。そして鍼灸を初めて受ける方にも好転反応は出やすいと思います。

さて具体的に好転反応はどのようなものがあるでしょうか?その多くは現代医学的に言う自律神経失調症のような症状が一過性にでます。

全身がだるい(易疲労)、頭が重い、頭痛、発熱、身体が痛い、のぼせる、身体がかゆい、下痢や便秘、腹部膨満感、やる気が出ない、眠気が強い、

ではなぜこのような症状が出てくるのでしょうか?

その鍵は鍼灸治療の効果と関係しています。鍼灸治療特有の作用として「鍼の刺激によって脳の視床下部に作用し自律神経を動かし、バランスを取る」という作用あります。身体に痛みを抱えた多くの患者さんは自律神経という側面から見ると交感神経優位な状況、つまり身体がアクティブな状況にありカッカと覚醒している状況です。その状態をバランスさせ治癒するためのベストな状態を作るために鍼灸治療を行うわけです。適切な鍼灸治療を行うと交感神経優位な状況から副交感神経優位(休息を取る状態)に一気に舵が取られます。副交感神経な時のほうが人間は身体を治癒することができるようにできています。とくに急激な副交感神経へのシフトは体内でヒスタミン、セロトニン、ロイコトリエン、ブラジキニン、プロスタグランジンなどの「発痛物質」、「発熱物質」を発生させて身体に様々な炎症症状が起こるのです。それが好転反応の正体です。

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皆さん、風邪を引いたときに熱(炎症反応)を出しますね。これもある意味好転反応みたいなもので、このプロセスを経て風邪は軽快していきます。

鍼灸治療はその治癒のプロセスを意図的に作り出すことができるのです。マッサージや整体などもそれを起こすことができますが、鍼灸ほどではありません。

もう一点、腰痛や頸部痛の患者さんの初診時に多い好転反応として、痛みを感じていなかった部分に痛みが出てくることがあります。これはどういうことでしょうか?

神経というのは筋肉に圧迫されるとその局所に痛みが出始めます(例えば腰)。その後、圧迫が強くなるとその支配神経の分布する部位に痛みが出ます(ふくらはぎや膝)。そして最初に圧迫された部分(腰)には痛みが出なくなります。長期的に神経が圧迫されているため痛みを脳に伝えられなくなっているためです。そのためその硬くなっている部位に針治療を施すことで筋肉が緩むのですが、正常な知覚も同時に戻ってくるため痛みが発生するのです。ただこの場合の痛みは3日から5日程度時間が経過すれば治ります。また再度鍼治療をすることで治ります。この時の状態が本当に腰や足が治ったと言えるのです。なので治療後に痛みが再発した場合でもあわてる必要はないのです。

私が治療した患者さんも様々な好転反応を呈した方がいらっしゃいましたが、その多くは好転反応をターニングポイントとして徐々に治癒に向かっていきました。

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