当院には、不妊治療クリニックに通院しながら鍼灸を受けにこられる方が多くいらっしゃいます。理由をうかがうと、ほぼ一点に集約されます。「クリニックの治療は続けたい。ただ、ご自身のお体をベストな状態に整えておきたい」。
ここでは、当院がクリニックの治療とどのように並行して実施するのかを、できるだけ具体的に書きます。
不妊鍼灸そのものの基本的な考え方については、こちらでまとめています。
→ 不妊鍼灸(妊活鍼灸)とは
当院の患者さんが通われているクリニック
当院には藤沢を中心に湘南エリアの不妊治療クリニックに通いながら妊活をされている方が多くご来院されます。不妊治療は、クリニックの通院日程が最優先です。そのため当院では、「採卵や移植の前後に無理なく来られるか」を前提に通い方を組み立てます。
山下湘南夢クリニック、メディカルパーク湘南、湘南レディース、藤沢IVFクリニック、湘南茅ヶ崎ARTレディースクリニック、矢内原ウィメンズクリニック、かがやきレディースクリニック
初診の際に、通院先とこれまでの経過をお聞かせいただければ、そこから
組み立てていきます。
※上記の医療機関と当院との間に、提携・紹介等の関係はありません。患者さんから
お伺いした通院先を挙げているものです。
※特定の医療機関を推奨したり、比較したり、優劣を述べる意図はありません。
治療方針についてのご判断は、主治医とご相談ください。
当院のスタンス
当然ですが私はクリニックでの不妊治療を否定しません。
クリニックが診ているのは、ホルモン値、卵胞の数と大きさ、内膜の厚み、受精卵の
グレードと画像です。妊娠の成立に直接関わる、精度の高い情報です。
私が診ているのは、腹部の緊張と冷えの分布、仙骨部の反応、骨盤の左右差、
脈の状態。採血にも超音波にも映りませんが、体がいまどう働いているかが現れる場所
です。
この二つは矛盾しません。むしろ、片方だけでは見えないものがあります。数値は
悪くないのに内膜が厚くならない。採卵はできるのに分割が進まない。原因不明と
言われて次の手が示されない。こうしたときに要るのは、数値の外側で体に何が
起きているかを診る目です。当院が引き受けているのはそこです。
採卵や移植の日程、薬の選択は主治医の領域です。
周期のどこにいるかで、施術内容は変わります
当院がもっとも重視している点です。
妊活の鍼灸というと三陰交がよく知られていますが、実際には周期のどの位置にいるかで選ぶツボが変わります。三陰交を使うのは排卵前まで、排卵後は腎経の復溜に切り替える、といった具合です。位置としてはごくわずかな違いですが、経過に差が出ることがあります。
| 時期 | 主に整えること |
|---|---|
| 月経期 | 骨盤内の停滞をゆるめ、次の周期に向けた土台をつくる |
| 卵胞期(低温期) | 卵巣への血流。冷えと下腹部の緊張を取る |
| 排卵期 | 自律神経の切り替わりを妨げないよう、緊張と焦りをゆるめる |
| 黄体期(高温期) | 体を冷やさず、体温を保つ働きを支える |
| 採卵前 | ホルモン剤の負担と全身の疲労のケア |
| 移植前後 | 骨盤内の血流と、心身の緊張の緩和 |
| 判定待ち |
※これは枠組みであり、実際の施術は毎回の体表所見と問診をもとにお一人ずつ判断します。
そのため、ご予約の際に「次の採卵・移植がいつ頃か」をお知らせいただけると、こちらの準備が変わります。
通院ペースは、クリニックの予定に合わせます
目安としては週1回、3〜4か月を一区切りとしています。卵胞が育つまでの期間を考えると、この程度の継続が必要になるためです。
ただし、採卵や移植の前後は頻度を上げ、それ以外の時期はゆるめる、という調整もよく行います。仕事や通院の都合で毎週は難しい方も、実際には多くいらっしゃいます。無理のない形を一緒に決めていきましょう。
遠方から通われている方もいます。都内のクリニックに通院されている方が、その帰りに立ち寄られることもあります。
→ 料金・メニューはこちら
妊活以外の不調にも対応いたします
当院はそもそも不妊鍼灸のみを行なっているわけではありません。さまざまな難治性の疾患や症状に対して強みを持つ鍼灸院です。ほとんどの不妊の患者さんは不妊のみを問題として抱えているわけではありません。
妊活中の方の多くは、冷え、不眠、肩こり、頭痛、便秘、めまい、気分の落ち込みといった不調を同時に抱えておられます。当院ではこれらを「妊活とは別の話」として切り離しません。同じ一人の患者さんに起きている問題を一体として捉え、施術を行なっていきます。
「これは相談していいことなんだろうか」と迷われるような症状こそ、遠慮なくお話しください。
毎回、同じ施術者が診ます
当院は院長が一人で施術しています。毎回同じ手で診るので、前回からの変化を体表所見のレベルで追うことができます。骨盤の左右差、下腹部の張り、足先の冷え方——数か月単位で経過を見ていく妊活の鍼灸では、この連続性が大切です。
なお、女性の施術者をご希望の場合は、藤沢市内で不妊鍼灸の治療技術のある女性鍼灸師をご紹介いたします。遠慮なくお申し付けください。
よくあるご質問
- 鍼灸に通っていることを、クリニックの主治医に伝えるべきですか?
お伝えいただくことをおすすめします。隠す必要のあるものではありません。
医師によって鍼灸への見解は異なりますが、患者さんが何をしているかを主治医が
把握しているほうが、双方にとって安全です。
- クリニックの治療をやめて、鍼灸だけにしたほうがよいですか?
当院からそのようにお勧めすることはありません。鍼灸師は診断も投薬もできず、
採卵や移植といった医療行為は主治医の領域です。当院の役割は、その治療を受ける
体の土台を整えることだと考えています。
- ホルモン剤を使っている時期でも、鍼灸は受けられますか?
受けられます。むしろ薬による負担や、採卵後の疲労が出やすい時期です。
服用中のお薬がわかるものをお持ちいただければ、状態に合わせて刺激量を
調整します。
- 採卵や移植の直前・直後でも施術できますか?
はい。採卵、移植に関しては前日までの施術をおすすめしており、当日施術はしない方針です。
- 都内のクリニックに通っていますが、鍼灸だけ藤沢というのは可能ですか?
可能です。実際に、都内のクリニックに通院されている方が、通院日程に
合わせてお越しになるケースがあります。