先日日本経済新聞に抗がん剤副作用を緩和するための「支持療法」として鍼灸が検討されているという記事が掲載されました。もともと鍼灸は副作用に対する支持療法以外に、がんに対する治療としても存在していました。例えば当院でも棒灸を使ったがん治療やターミナルケア(疼痛緩和)のための鍼灸は実施しています。
この記事で紹介されているのはあくまでも支持療法としての鍼灸ですが、国立がん研究センターで臨床研究が始まっていることは大きな前進だと思います。
以下、日経新聞からの引用です。
“抗がん剤の副作用を和らげ、患者の負担を減らす「支持療法」が進化しつつある。副作用を抑える薬の改善が進み、はりやきゅうで生活の質(QOL)向上をめざす方法にも期待が集まる。「治療はつらいものだ」と諦めずに、困りごとは医師や看護師に迷わず相談することが大切だ。
「痛みやしびれのあるところはありませんか」。国立がん研究センター中央病院で、鍼灸(しんきゅう)師の堀口葉子さんは患者に優しく声をかける。問題のある部位に応じて、1ミリの数分の1の細いはりをトントンと静かに刺す。必要に応じておきゅうもする。
手術後の痛みや抗がん剤投与後のしびれ、倦怠(けんたい)感などを薬でも取り除けない場合に実施する。「患者さんが抱えるさまざまなつらさを軽減し、QOLを高められると実感している」(堀口さん)
効果をデータで科学的に裏付け、普及につなげるための臨床研究も始めた。女性で罹患(りかん)数が最多の乳がんの患者が対象。標準治療で使うタキサン系抗がん剤によって起きる両手足先のしびれに対する効果を見る研究と、手術後の胸からわきの下にかけての痛みに対する効果を調べる研究が進行中だ。”
引用元記事:
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD113UH0R10C24A9000000/
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