針は痛くないですか?

注射が嫌いな人でも鍼は大丈夫な人がほとんどです。

鍼というと「痛いのではないか」と思う人が多いと思います。しかし鍼は痛くありません。

わたしも若い頃に初めて鍼を受けようと思ったときには踏み込めずに数週間悩んだことを覚えています。でもいざ受けてみると全く痛くなく、拍子抜けしてしまったことを覚えています。

そうなんです。鍼治療は痛くありません。もう少し詳しくご説明すると「痛くない鍼治療」と「痛い鍼治療」があると言えます。当院はどちらの治療もすることができます。本来は症状の種類や程度などに合わせてどちらの治療が必要なのか判断していくことになります。ただ多くの疾患・症状に対しては「痛くない鍼治療」で十分に対応可能です。患者さんのほとんどはいつ鍼が刺さったのかわからないと思います。痛みではなく鍼の刺さった感覚(ひびき)を感じさせることはありますが、それは痛みのような不快な感覚とは全く違ったものです。

鍼が痛くない理由はいくつかあります。まず、鍼灸のための鍼というのは待ち鍼などど違って先端が丸くなっているのです。これは本当に大きな違いなんです。全く痛みの感じ方が変わってきます。次に針灸の針は非常に細いということも言えます。病院などで使用される注射針は痛いと思います。それは中身が空洞で直径が太いからなんです。注射針に対して鍼灸の鍼の直径は1/5程度です。種類によっては髪の毛より細いこともあります。極端なお話なのですが蚊に刺されて痛いと感じる人はいないと思います。それは直径が細くて、先が柔らかいからです。

「痛い鍼治療」が必要になる場合は事前に患者さんに理由をお伝えした上で行います。ただ痛いと言っても悶絶するほど痛いわけではありません。

※ただ、ごく稀に中枢過敏(痛み過敏)の状態になっている方は一般的な方が全く痛みを感じないような刺激も痛みと感じることがあります。これは本当に稀なケースですし、問診段階(治療前)である程度判断できます。