帯状疱疹の鍼灸治療

目次

帯状疱疹とは

帯状疱疹後神経痛とは

帯状疱疹後神経痛の鍼灸治療

帯状疱疹とは

帯状疱疹は水痘ウイルスを病原体とする感染症。水痘ウイルスの感染者の症状(発疹・水痘)消失後、ウィルスが脊髄後根神経節内に達し、潜伏し続ける(免疫力により活動が抑制されている)。数十年後、免疫力が低下した際に再活性化され水痘ウイルスは神経節から末梢神経を下行して肩甲骨の下から脇、胸などにに水疱を形成する。帯状疱疹は他人への感染はまずないが、水痘に罹患したことのない小児には水筒として伝染する可能性があるので念のため注意が必要。

帯状疱疹後神経痛とは

帯状疱疹後神経痛の定義は一般的には発症から3ヶ月が経ち、皮疹が治っても尚残っている痛みを「帯状疱疹後神経痛」とよぶ。この痛みはウイルスが近く神経を侵襲したことで生ずる。痛みの感覚は数ヶ月続く焼けるような、刺されるようなものと表現する人が多いように感じる。そして肋間神経と三叉神経(1枝領域)に多い。

帯状疱疹後神経痛の鍼灸治療

帯状疱疹後神経痛で当院に来られる方の多くは事前に病院でリリカ(プレガバリン)などを処方されているものの、痛みが治らないまま数ヶ月経過している方が多く、背中や胸などに激烈な痛みを抱えている。

鍼灸治療の効果は非常に有効だと感じており、多くの患者さんは4、5回の治療で痛みが著しく低下している(10程度の痛みが3程度に)。そして発疹のある患者さんは発疹自体も消失するケースも多い。

治療内容は比較的シンプルなもので、鍼と灸の両方を使った治療をする。そもそも肋間神経に走行に沿った発疹と痛みが出ていることが多いため、鍼では肋間神経の疼痛を抑制する背骨付近のツボに打つ。そして灸は比較的熱い灸を発疹部位を囲むように施灸する。そして帯状疱疹発症から早く始めた方が痛みの発生も予防できるし、また痛みが発生した後も痛みが消退する期間が短いように感じる。

なので帯状疱疹を発症したら病院の治療と並行して鍼灸治療を実施することを強くお勧めする。