慢性疲労症候群とは

そもそも 慢性疲労症候群とは、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)とも呼ばれ、検査で客観的な異常が認められない状況で重度の疲労感が長期間続く状態をいいます。具体的には強い疲労や倦怠感が6ヶ月以上続いているもので、ウィルス感染症の様な症状が出ている時に現れることが多いです。治療法としては鍼灸の他に認知行動療法、段階的な運動療法などがあります。

米国の統計では、800〜1,000人に一人が慢性疲労症候群に罹患し、20〜50歳の女性に特に多いと言われています。

また慢性疲労症候群の人は、日常生活が送れなくなるほどの症状が現れます。しばしば家庭や職場で仮病と疑われて、二重に苦しむ人もおられます。

現在コロナ感染後の後遺症で慢性疲労症候群と同様の症状が出ている方が多く来院されています。その中の多くが慢性上咽頭炎や後鼻漏などの症状も併発しています。その場合、慢性上咽頭炎の施術も並行して行うことになります。

慢性疲労症候群の原因

慢性疲労症候群の原因については、これまで多くの研究が行われてきましたが、未だにはっきりとした答えはわかっていません。原因が一つなのか複数なのか、身体的な問題なのか精神的な問題なのかについては、専門家の間でも意見が分かれています。EBウィルス、サイトメガロウィルス、ライム病を引き起こす細菌、カンジダという真菌などが関与していることが疑われましたが、いまだにはっきりと答えは出ていません。

今後最終的には、微生物や毒素、その他の身体的・精神的要因など複数の原因によって判明するだろうと言われています。

慢性疲労症候群の症状

慢性疲労症候群は、通常、何らかのストレスがきっかけで突然始まりますが、発症前は健康で問題なく生活していたことがほとんどです。この病気の主な症状は強い疲れで、日常生活に支障をきたすほどひどく、通常は6カ月以上続きます。特に朝起きたときから疲れを感じ、それが一日中続くのが特徴です。この疲れは、体を動かすことや精神的なストレスが加わると、さらに悪化することがあります。

他にも、集中力が落ちる、不眠、のどの痛み、頭痛、関節痛、筋肉痛、腹痛などが起こることがあります。また、抑うつの症状が見られることが多く、特に症状がひどくなる時や悪化する時に目立ちます。慢性疲労症候群は、線維筋痛症という病気と似た症状が見られることもあります。

慢性疲労症候群の一般的な治療

認知行動療法

認知行動療法(CBT)は、ストレスで固まった考えや行動を柔軟にし、自由に考えたり行動できるようサポートする心理療法です。もともとはアメリカのAaron T. Beckがうつ病の治療法として開発しましたが、現在では不安症や強迫症など、さまざまな疾患にも効果があるとされています。
ただこの療法は慢性疲労症候群の要因が精神的な側面から起きていることを前提としたものです。

※NCNP病院の記事がわかりやすいので参考までに→「そもそも認知行動療法ってなに?

段階的な運動療法

休養を取りすぎると体力が低下し、逆に慢性疲労症候群の症状が悪化することがあります。ウォーキングや水泳、サイクリング、ジョギングなどの有酸素運動を、少しずつ始め、定期的に続けることで、疲れを軽減し、体調を改善できます。ただ重度の慢性疲労症候群は、疲労以外の症状(痛みや自律神経症状など)も抱えていることも多く、ごく簡単な運動ができないことも多いです。ですので、運動療法はその方の現状に合わせてケースバイケースで実施する必要があります。

鍼灸によって改善した症例

病名:慢性疲労症候群

性別年齢:女性・30代

住まい:藤沢市辻堂

お仕事:デスクワーク

症状

・全身の強い倦怠感、後頭部から背部にかけての痛み、吐き気、頭痛、

・とにかくやる気が出ない、抑うつ状態、不眠・過眠(睡眠障害)、イライラ、不安などの精神症状

  慢性疲労症候群の原因・経過

 患者さんは3年ほど前から後頭部から背部から腰、腕などの筋緊張を伴う痛みと、全身の倦怠感、疲労感が強く、心も身体も言葉で表現できないような疲労感で満たされている感じで、気持ちは焦るのに行動ができず、ため息ばかりが出る毎日だったようです。7カ所以上の病院(精神科、心療内科、整形外科、脳神経外科)で検査をしても何も異常はないと言われたようです。異常がないと言われてもご本人は明らかに普通ではないような身体の痛みや不快感、疲労感を味わっていたのですから、逆に不安になる一方です。精神科では精神安定剤や抗不安薬を出されたようですが、薬で治すことに抵抗を感じてほとんど飲まなかったようです。

そんな状況がしばらく続いているうちに「こんな状態ではだめになる」と思って焦るものの、とにかくやる気が出ない状況が続いて一旦お仕事を休職してご実家に戻ることになりました。医療機関で見放されてしまった中で、藁にもすがる想いで代替療法を検討したようです。そして慢性疲労症候群と近い疾患である線維筋痛症の治療実績がある当院をインターネットで見つけてご連絡いただきました。

  慢性疲労症候群の鍼灸治療

治療院に初めて来られたときの状態は、本当に来るのがやっとという感じで心身ともに疲れきっているのが一目でわかるほどでした。
皮膚の色は若干黒ずんで見え、ご本人も以前より黒くなったという感想を持っていたようです。皮膚の黒ずみは東洋医学的にも大きなストレスにさらされたサインとして見られることもあります。また現代医学的にも交感神経優位で免疫の顆粒球が増加しているときに肌が黒くなるという考え方もあるので、何らかのストレスか長期間続いたか、病気自体のストレスの影響が考えられました
当院にご来院される慢性疲労症候群の患者さんには2つのタイプがあります。一つ目は何らかの感染をきっかけに起きるケースと何の前触れもなく突然起きるケースです。この患者さんは後者のようですが、実際には突然起きているわけではなく、何らかのストレスが影響している場合が多いと思います。

触診したところ、首の付け根や肩、肩甲骨周り、鎖骨付近、腕、腰、ふくらはぎなどに顕著な圧痛があり、線維筋痛症の圧痛点ともほぼ同じように思われました。東洋医学的には線維筋痛症も慢性疲労症候群も分けて考えることはありませんので、適切なツボに鍼灸(針)治療をしたところ、1回目から身体の状態が良い方向にいくような感じが雰囲気があったようです。数日後には更に手応えを感じたようです。疲労感が徐々に改善し始めたようでした。2回目に来られたときには明らかに表情が明るくなっているように見えました。実際に痛み止めの服用頻度も減ったようです。

1ヶ月目は毎週来ていただき、2ヶ月目からは隔週での治療に切り替えていきました。3ヶ月目に入ったあたりでセルフケアとしてのジョギングウォーキングもおすすめして徐々に改善していったのです。そして彼女は復職しました。今でもお仕事をしながら月に1、2回は疲労回復と慢性疲労症候群予防のために当院に来られています。

病院で異常なしと言われて治らなかった症状が当院の鍼灸で劇的に改善することは珍しい話ではありません。慢性疲労症候群に限らず西洋医学では治療が難しい病気でも東洋医学(鍼灸)で改善する例もたくさんあるのです。

 

現在初回限定の価格を設定しています。この機会に質の高い鍼灸をご体験ください。

 

【免責事項】

こちらに掲載された事例、体験談は患者様個人の治療成果や感想であって、万人への治療効果を保証するものでないことをご理解ください。治療による効果には個人差があります。