眼精疲労は首の深層筋の問題です。鍼灸(針)ですぐに効果が出ます。
患者
症状:眼精疲労(VDT症候群)
年齢・性別:30代前半・女性
住まい:藤沢市
職業:デスクワーク
症状・主訴
(1)目の奥の重だるいかんじ、痛み
(2)首・肩の強いコリ
発症の経過
患者さんは一般企業の事務をされているのですが、20代で社会に出始めた頃から目の奥の重だるいかんじや痛みにしばしば悩まされていたそうです。20代の頃は目の疲れや痛みがあっても土日になって仕事を休むと良くなっていたようなのですが、30代半ばになってから眼精疲労が常態化してしまって悩んでいたようです。何か目の病気でもあるのかと不安になり眼科を受診しても眼精疲労かVDT症候群と言われて点眼薬を処方されるだけでした。点眼薬をさしても一向に良くなりません。そのような中で職場の同僚の方から針治療の効果を聞いて針治療を受けることにしたそうです。
眼精疲労の原因・治療
近頃はパソコンやスマホの普及でVDT症候群や眼精疲労になる人が本当に多くなったように感じます。ただ眼精疲労になっても、休む以外に何をしていいのかわからないのではないでしょうか?少し休めば治ってしまうような眼精疲労ならまだ良いのですが、頑固なものはきついと思います。点眼薬でそのような眼精疲労が治ったという話もあまり聞いたことがありません。
実は眼精疲労には針治療が非常に効果が高いのです。
それは眼精疲労の原因が目の使い過ぎによる疲れというよりも、頸部の筋肉の問題からくる場合が多いからなのです。
まず首の後ろ、頸椎と頭蓋骨の際の筋肉は四層程度の構造になっています。特に3層目の頭半棘筋・頭板状筋、一番奥の後頭下筋群などが長時間のデスクワークで緊張すると目の重だるさや痛みとして影響してくるのです。疾患名としてあまり知られていないのですが、三叉神経大後頭神経症候群というものがあります。三叉神経というのは脳から出てちょうど頸椎のあたりまで下がった後に目を含めた顔面部の感覚であったり、咀嚼をする筋肉の運動を支配しているのです。そして頸部深層の筋肉が緊張することで三叉神経を興奮させてしまいます。つまり脳が首の部分の圧迫による興奮を目の重だるさや疲れとして錯覚してしまうということなのです。つまり治療としては首の奥の筋肉の緊張を取って目につながる三叉神経の興奮を抑制してあげる必要があるのです。
東洋医学的にも目の疾患とくれば「風池穴」、「天柱穴」、「完骨穴」などの首の後ろのツボ2000年以上も前から使われてきました。これらのツボは現代医学的に見ても間違っていないのです。
この患者さんに関しても頸部のツボを深く刺すことで眼精疲労が1診目から軽減していったようです。2診、3診と治療を続けるとさらによくなり肩こりまでも良くなったようです。今ではデスクワークという仕事柄首は首肩腰は疲れやすいので月に1度程度は治療をさせていただいています。
ただ注意点としては単なる眼精疲労ではない疾患です。かなり稀だとは思いますがサルコイドーシス、ベーチェット病、シェーグレン症候群、中心性網膜炎などによる眼痛や疲労であることも全くないわけではないと思います。その際は眼科の受診が必要になります。
通常の眼精疲労であれば針治療は最適応と言っても過言ではありません。首肩のコリ、それに伴う眼精疲労で悩んでいる方はぜひご連絡ください。すっきりすると思います。
※ブルーベリーは眼精疲労には効きません。
インターネットや雑誌などで眼精疲労の改善にブルーベリーのアントシアニンが効果的という言説を見かけますが。現代人の多くの眼精疲労に対しては効果がないとみて良いかと思います。ご経験のある方には言うまでもないことです。効かない理由はここまで読んでいただけていればお分かりになったと思います。アントシアニンに首こりを取る作用はないのです。
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【免責事項】
こちらに掲載された事例、体験談は患者様個人の治療成果や感想であって、万人への治療効果を保証するものでないことをご理解ください。治療による効果には個人差があります。