現代医学的な鍼灸治療とは?

世の中には治療手段が無数にあります。

誰もが病院で経験したことのある西洋医学(投薬治療)であったり、古今東西のマッサージ、整体、民間療法など無数にあります。また近頃はリラクゼーションなるものまで出てきて玉石混淆の状態です。

私は現代人の多くが悩まされている慢性疾患(慢性的な痛み、違和感、ホルモン系や自律神経系の不調)に効く治療手段を調査しています。

その中で最も体に負担が少なく効果が高いと感じているのが針灸治療だと思っています。その中でも現代医学的な針灸治療は治療と効果の説明が明確でわかりやすいです。針灸治療に種類があることに驚かれる方も多いかもしれませんが、実は針灸には無数の流派やメソッドが存在しているのです。

針灸治療というと伝統的・経験的な医学を思い浮かべる人が多いと思います。また「気」や「経絡」と言った日常的に目で見たり、感じたりすることができない話が多いので、どこか胡散臭いと感じる人もいると思います。そういうお気持ちはよくわかります。実際に医療者の立場からも胡散臭いと感じる治療をしている人がいると感じるからです。だからこそ私は針が効く理由を患者さんのわかる言葉で論理的に、尚かつ間違いのないように説明するようにしています。

 

ドイツや米国、中国では医者や生理学者などによって1970年代から今に至るまで積極的に鍼灸の科学的な研究が進められてきました。そして現代医学的に鍼灸の効果が解明されつつあり、生理学的根拠に基づいた針治療が盛んです。

現代医学的な針灸治療がどんなものであるのか簡単に説明します。

それは一般の方がイメージしやすい筋肉、骨、神経、血液などの目に見えるもの(解剖学)、またそれらがどのような働きを持っているのか(生理学)、そして何らかの原因によって解剖学・生理学的に正常な状態から逸脱した状態になり病気になる(病理学)、これら3つの観点から患者さんの病態を考え、治療することを現代医学的な針灸治療と定義しています。もちろん場合によっては病院での検査・診断が必要になる場合もあります。その検査・診断結果も踏まえて総合的に患者さんの病態を把握し、針灸治療をするのです。

私は現代医学的な針灸治療をメインにしながら、補助的に伝統的な針灸の考え方であったり、マッサージなどの治療を取り入れて日々の臨床にあたっています。