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ぎっくり腰は鍼灸(針)で治しています。
患者
年齢:40歳前後
住まい:藤沢市内
お仕事:デスクワーク(メーカー)
主訴
(1)ぎっくり腰(主に右腰部、臀部)
発症の経過
この患者さんは当院で治療する前の5年間に3回ほどぎっくり腰を経験していました。
今回はぎっくり腰を発症する数日前から腰に違和感を覚え、痛みまではいかないまでも重いだるさを感じていました。過去のぎっくりの前にも同じ様な兆候があったようです。発症の前後にはほぼ必ず下痢の症状が出ていたこともわかりました。
さて、この患者さん、デスクワークの最中に後ろの席に座る同僚に話しかけようとして腰をひねった際に右の腰部に電撃的な激痛が走りました。そして座った姿勢のまま冷や汗をかき動く事ができなくなってしまいました。そのまま仕事を続行することができなくなり都内からタクシーでいったん帰宅されました。
診察
望診(視診):
ご自宅にお伺いした際に、前かがみのまま椅子に座っておられ、ました。
顔色、腰部が青黒く、内くるぶしの部分に細絡と言われる静脈の浮き出たものが確認されました。また眼は若干充血して白目の部分が赤く充血しています。東洋医学的な見方ではこのような色の変化や静脈の浮き出しは腰痛発症の前によく診られる兆候です。
問診:
腰を反る動作で右の腰部と臀部の間あたりを中心に痛みが強まる状況。痛みは腰に限局しており、足にしびれなどの症状はありません。そして立った状態から腰をかがめる動作をする際にも痛みが強まるようです。
ここ数ヶ月、大きなプロジェクトの主要メンバーとして重い責任を担っており、特にここ数日で大きな精神的プレッシャーを抱えていたようです。腰痛発症にはほぼ必ずと言って良いほど強い精神的なストレスが関係しています。このことは腰痛に関わる医師、セラピストの間では世界的な常識的な話になってきています。まだ日本では定着していないように思います。
触診:
右の腰部に熱感と筋肉の強い緊張が感じられました。また仰向けの状態で左足を挙げると右足も同時にあがってきてしまう兆候もみれまました。これはトーマステストと言います。ぎっくりで痛みやすい特定の筋肉(腸腰筋:大腰筋と腸骨筋)が問題になっているかどうかを検査するためのテストです。
患者の状態、原因
診察のプロセスを通じた状態を開設すると、腰椎(腰の骨)から大腿骨(ももの骨)の内側に付着するインナーマッスルである腸腰筋が非常に強い過度な収縮が起きているものとみられました。この筋肉の緊張はぎっくり腰をはじめ慢性的な腰痛の際にも多くみられるキーとなる筋肉です。また腸腰筋が過度な収縮を起こすと同時に若干の炎症を起こしたことで、この筋肉意外の腰部の筋肉(半棘筋、多裂筋、回旋筋)などが腰を保護するために過収縮を起こしている状態です。そして肝腎の痛みは腸腰筋の収縮により腰部の痛みを司る神経が圧迫されたことにより起こっています。
そしてこれらが起きた原因は常日頃からデスクワークをしていることにより、腸腰筋を収縮した状態で座っています。腰部が収縮した状態を長時間、毎日続けていると徐々に立っている状態においても筋緊張が残ってしまうことが多いのです。ぎっくり腰の患者の多くは発症する一週間ぐらい前から腰に違和感を感じ始めているケースが多いのです。それは座った状態で収縮している筋肉を立位の状態で伸ばしていることになるからです。硬くなった筋肉を無理に伸ばせば痛みが出ますよね。ちょうどそのような状態が発症前の時期なのです。
ぎっくり腰の治療と予防
まず初診に鍼灸治療を実施したところ、10あった痛みが2程度(患者さんの感覚値)にまで消失し大変喜んでいただきました。治療部位としては骨盤の上縁を結んだライン上で、脊柱起立筋の窪んだ部分へ針を打ちます。また足や手、頭部などのツボにも細い針を打つことで身体全体の筋肉の緊張を取っていきます。
またぎっくり腰を起こしている患者さんの多くはご本人も気づかずに緊張状態(交感神経優位)にあります。そのため単純に痛みを取るための治療をするだけではなく、間接的なお灸(熱くない灸)によって身体全体をリラックスした状態へと移行させることが重要なのです。
仕事のプロジェクトが佳境を迎えていたこともあり、次の日から問題なく職場復帰できる状態にまで持っていくことができました。ただ、完全に痛みが消失したわけではないことと、ぎっくり腰は初診で痛みが取れて放置してしまうと再発のリスクがあります。なので初診から一週間以内に2診を受けていただくことを強くすすめています。そうすることで痛みを更に軽減し、ぎっくり腰の再発を予防することができるのです。
また発症してしまったご本人に留意していただくこととしては、絶対にストレッチをしないことです。過収縮を起こしている筋肉を無理に伸ばすことで腰痛を悪化させてしまいます。このことは初診で痛みがある程度ひいた場合も同じです.
世の中にはカイロや整体など含めていろいろな治療がありますが、ぎっくり腰に顕著な効果が出せるのは鍼灸治療なのです。もちろん生体の知識や治療経験の双方を持ち合わせている必要があります。整体やカイロ、マッサージなどをやっても少しは効果の出る場合もありますが、すぐに職場復帰できるまでに回復することは難しいと思います。なぜなら痛みの原因になっている筋肉はかなり奥ほうに存在するインナーマッスルであるため指でその筋肉を触ることができないからです。整体やマッサージなどに行ってしまうと1、2週間は痛みに耐えながら自宅療法したり、仕事をしなくてはいけないことになります。
ぎっくり腰を起こしてしまったときの第一選択は鍼灸なのです。藤沢、鎌倉、茅ヶ崎などでぎっくり腰を起こしたしまった場合は当院にご連絡ください。
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【免責事項】
こちらに掲載された事例、体験談は患者様個人の治療成果や感想であって、万人への治療効果を保証するものでないことをご理解ください。治療による効果には個人差があります。