過活動膀胱(OAB)

なかなか治らない過活動膀胱には鍼灸治療を。

目次

はじめに

過活動膀胱とは

過活動膀胱の原因

過活動膀胱の一般的な治療

過活動膀胱の鍼灸治療

はじめに

過活動膀胱の診断を受けて当院の治療を受けにくる方がおられます。日本排尿機能学会の調査では40歳以上の男女の8人に1人は程度の差こそあれ過活動膀胱膀胱の症状を持っているようです。当院の患者さんは女性の患者さんが多いように感じます。ただ過活動膀胱と診断されて西洋薬や漢方薬などを処方されても思うように治っていないケースが目立ちます。これはなぜでしょうか?下記に一般的な過活動膀胱の分類をご説明いただいますが、少なくとも当院でこれまで診てきた患者さんは過活動膀胱の中では比較的少ないとされている原因(3)の方が圧倒的に多かったように思えるからです。つまり投薬治療では効かないケースです。そのようなケースでは鍼灸治療で非常に良い効果が出ていると思います。

過活動膀胱とは

過活動膀胱の症状は主に下記の3つになります。

基本的には尿意切迫感が主症状で、通常は頻尿を伴い、人によっては切迫性尿失禁を伴うかたもおられるようです。

(1)尿意切迫感

・急に強い尿意をもよおし、漏れそうで我慢ができなくなる。

(2)頻尿(昼間・夜間)

日中のトレイが近い、夜間何度もトイレにいく。

人がお手洗いに行く回数は日中が5ー7回、夜間が0ー1回程度なのですが、日中に8回以上、夜間に2回以上行くようになると頻尿と言えると思います。ただ50歳を過ぎてからの夜間1回のお手洗いはさほど異常ではないと思われます。

(3)切迫性尿失禁(尿漏れ)

排尿を我慢できずにトレイに行く前に漏らしてしまう。

過活動膀胱の原因

過活動膀胱の原因としてはおおざっぱに神経因性と非神経因性とに分けられます。そもそも排尿という行為は脳(上位中枢)と仙随(下位中枢)にある排尿中枢によって私たちの意識とは関係なくコントロールされています。その神経になんらかの病変がある場合と、そうでない場合、そしてどちらにも属さないケースに分けて考えるのが一般的にです。

最近の過活動膀胱の患者さんの多くは(3)が一番多いように感じます。(3)は簡単に言うと自律神経の問題です。だからこそ病院では打つ手がないのではないかと思います。

(1)神経因性

脳血管障害、パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄不完全損傷などの脳や脊髄の病変を伴う病気によって蓄尿や排尿に関わる情報伝達に異常をきたしてしまう。

蓄尿や排尿には膀胱の筋肉がゆるんだり、縮んだりすることで機能しているのですが脳や脊髄から筋肉への「まだ出さないよ」「もう出していいよ」などの締める、緩めるの情報伝達がおかしくなってしまうと過活動膀胱の症状が出てしまいます。

(2)非神経因性

一般的に女性の場合は加齢や出産によって骨盤底筋群の筋力が弱まること、男性の場合は前立腺肥大などにより尿道が伸展されることが原因だと解説させることが多いです。

ただ陰部神経や骨盤神経(自律神経)を刺激するような鍼灸治療を施すことで徐々に改善していることを考えると骨盤底筋群の問題である人は比較的少ないと思われます。

※もちろん多産の方は骨盤底筋群が原因と考えられるような頻尿の方もおわれます。

(3)それ以外の原因

上記以外の原因で膀胱の神経(仙髄排尿中枢、骨盤神経、陰部神経)が過敏に働いてしまう場合があります。その際はとくに鍼灸治療が効くケースが多いです。

実際にはこのケースが多いのではないでしょうか。

過活動膀胱の一般的治療

抗コリン薬を処方されるのが一般的ですが効かない方や長引く方は鍼灸治療を受けにこられる方が多いと感じます。

具体的な処方薬はこちらを参照ください。

過活動膀胱の鍼灸治療

現代的な鍼灸治療の立場では、過活動膀胱でご来院される方を原因(3)とみて治療をしています。その際、陰部神経(体性神経)・骨盤神経(副交感神経)などを仙骨から鍼や灸によって刺激するか、陰部神経と関係強い足のツボ(三陰交・太渓)などを刺激することが多いと思います。ただこのツボはあくまでも共通穴(多くの患者に共通するツボ)であって、実際の臨床ではその患者さんごとに自律神経を最適化するための全身のツボの反応を診て治療していくことになります。

患者さんによっては時間がかかるケースもあるものの治療の効果は良好だと思います。

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