ストレートネックは痛みの原因ではありません。
目次
そもそもストレートネックとは？
首の症状で当院に来る方で、整形外科を受診した方はほぼ１００％「整形でストレートネックと言われました」とお話してくれます。それに対して「お医者さんはストレートネックと首こりや首の痛みについて何かおっしゃっていましたか？」と聞くと、たいがいのケースではそれ以上何も説明を受けていないのです。
今この記事をご覧になっている方で「ストレートネック」という現象に疑問を持ったことはありませんか？何か煙に巻かれたような印象を持ったことはありませんか？
ストレートネックとは文字通り湾曲しているべき首がまっすぐになってしまっていることを言うのですが、その患者さんのもともとの湾曲を知らずにストレートネックと言えるのでしょうか？ 人の湾曲にはそれぞれ個性があります。
またストレートネックというのは患者さんの抱えている症状の原因なのでしょうか？
これに関してもどうも納得できない気持ちを持った人もいるのでしょうか？
「ストレートネックですね」としか説明を受けなければ、それが今の症状とどう関係があるのかわからないのではないでしょうか？
ストレートネックの原因
ストレートネックはなぜ起きるのでしょうか？
これは首こりと密接な関係があります。（関連記事：首こりの危険性と対処法）
近年ストレートネックと言われる人も増えましたが、首こり患者さんも同じく増えています。２つの現象には因果関係があります。ほとんどのストレートネックは首コリによって起きているといえます。その証拠に首こりが取れてしばらくするとストレートネックが改善したという声をたびたび聞いているからです。もちろん１００％ではないにしても首こりによってストレートネックになると言えると思います。
具体的に言うと頭半棘筋、斜角筋群、胸鎖乳突筋、頭板状筋などの過緊張によって首の上部が前方に引っ張られ続けたことによって本来前弯している頸椎がまっすぐになってしまっているのだと思います。
つまりストレートネックは何かの原因なのではなく、首こりの結果として起きるものなのです。ストレートネックが何かを引き起こしているわけではないのです。
例えば「首の痛みとしびれ」のある患者さんがいるとします。その場合は「首のこりによって神経が圧迫され、症状として首の痛みと手のしびれが起きている。そして頸椎は頸椎で緊張した筋肉によって引っ張られてストレートになっている」ということなのです。※関連記事：首の痛みと手のしびれ（藤沢・３０代前半・男性）
ストレートネックを治すには？
ストレートネックが症状の原因でないことはわかっていただけたと思います。
そうなると重要なことはストレートネックを治すというよりも、首こりを治すにはどうしたらいいのか？ということになると思います。先に述べたように原因である首こりを治すことで首の痛み、手のしびれ、頭痛、めまい、耳鳴り等の症状を改善し、結果としてストレートネックも治すことになります。
詳しくは首こりの記事（首こりの危険性と対処法）をご覧いただければと思います。
ここで少し述べると首こりには針治療が適しています。
マッサージや整体はその場でよくなっても必ず「戻り」や「揉み返し」が出てきます。そしてどんどん首は硬さを増強させていくケースが多いです。そうなってしまうと治すのにも時間がかかります。
私も首こりの患者さんに対して針治療後にソフトなマッサージはするのですが、あくまでもリラクゼーションを目的としたものであったり、ズレた頸椎をソフトに矯正するものです。首は絶対に強いマッサージをしてはいけないのです。どんなに気持ち良かったとしてもおすすめしません。
次にストレッチはどうでしょうか？これも先ほどの記事に書いていますが、首の後ろをもって前に倒すようなストレッチは絶対にNGです。強いマッサージと同様に少し時間が経つと症状が増強していきます。首の牽引もそのときは少し楽にあんりますが、その後悪化するという話をしばしば耳にします。
最後に枕はどうでしょうか？
枕は高さのあるものは避けてください。私が針治療と並行しておすすめしているのが、バスタオル枕です。バスタオルを二つ折に３回していただいています。非常に低い枕になります。当初は違和感があって眠りにくいと思いますが、治療によって首こりが解消されてくると楽になってくると思います。
そして徐々に首の過緊張が取れ、首や手の症状が改善し、結果としてストレートネックも徐々に改善していくのです。
ストレートネックというフワフワした言葉の意味や位置づけがわかっていただけたでしょうか？このようにわかるようでわからない言葉は医師や治療家にどんどん質問していくといいと思います。
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