筋膜リリース注射は痛いけれど、鍼灸は痛くありません。
最近テレビなどでエコーガイド下筋膜リリース注射というものが紹介されて話題になっているようですね。ハイドロリリース注射などとも呼ばれているものです。
ただ結論から言えば、筋膜リリースをして痛みを除去するのにわざわざエコーを使った上で生理食塩水の注射をする必要はないと考えています。なぜなら鍼灸治療が2000年もの間、筋肉の痛みに対して行ってきたことは今で言うところの筋膜リリースだからなのです。そして鍼灸治療は生理食塩水などの異物を体内に入れることなく、症状を改善させます。
※欧米では鍼灸の針治療のことを薬品を注入しないという意味で「ドライニードリング」という呼び名で行っている医師もいるほどです。
これを聞いてびっくりされる方がいるかもしれません。ただ腕のある鍼灸師とこの話をすれば皆同意します。特にトリガーポイントの理論に基づいた鍼灸ができれば筋膜リリースなど非常に簡単なことなのです。
腕のある鍼灸師であればエコーなどを使わなくても癒着している筋膜の位置や深さが触診をすることでわかります。また触診でわかりにくくても患者さんに特定の動作をさせることで癒着していたり縮んでいる筋膜を特定することができるのです。
わざわざ注射針のような太い注射針を刺入する必要はありません。注射針の痛みは針治療の比ではないと思います。鍼灸に使われる針の直径は注射針の1/5程度だからです。そして注射針は中が空洞ですが、鍼灸の針は空洞がありません。だからそんなに痛くないのです。
そもそも筋膜リリース注射ってどういうものなのでしょうか?
まず肩こり、腰痛、首痛みなどの筋肉由来の痛みというものの大半は筋筋膜性疼痛と言われ、筋肉の痛みというよりも筋膜の癒着や筋膜が縮むことで筋膜にある知覚センサーを刺激して起きるものなのです。これに関しては以前ご説明いたしました。(筋・筋膜性疼痛症候群(MPS))
そして筋膜リリース注射というのはこの痛みの原因になっている筋膜の癒着部分や縮んだ筋膜に生理食塩水を注射するというものです。それによって癒着した筋膜を剥がす(リリース)するということなのです。
しかし筋膜を剥がしたり縮んだ筋膜を伸ばすのであればわざわざ注射などをしなくても鍼灸の針を使うことによって容易に達成できます。今までにいらくでも実績があります。毎日筋膜リリースを目的とした鍼灸治療をしています。そのくらい当院では当たり前の治療スタイルなのです。ただ患者さんには必ずしも「筋膜のリリースをして痛みを取りますね」とは言いませんから、患者さんとすれば単に頑固な肩こりや首コリを取ってもらったとしか思っていないと思います。それほど当院では筋膜リリースは当たり前のものです。
もちろん病的な筋膜を正常に戻すためには、その患者さんの筋膜のどこが問題なのかを問診、触診、動きなどを通じて的確に特定しなくてはいけません。そして適切な太さの針、刺入する角度、針を刺したまま置いておく時間(置針)などが適切でなければいけません。また、非常に頑固な肩こりや首こりなどがある方には場合によっては針治療と温灸を合体させた灸頭針というやり方を使うことでより効果は高まります。このあたりは一定の腕のある鍼灸師であれば問題ないと思います。特にトリガーポイントの理論による針治療ができる鍼灸院であればパーフェクトです。
筋膜リリース注射
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