更年期障害(藤沢・47歳・主婦)

更年期障害にはホルモン補充療法や漢方よりも鍼灸です。

患者

病名:更年期障害

性別年齢:女性・47歳

住まい:藤沢市

お仕事:主婦

症状

・ほてり、のぼせ、顔面紅潮、発汗異常(ホットフラッシュ)、手足の冷え(血管運動神経症状)

・首こり、肩こり、腰痛、めまい、不眠、疲労感、食欲不振、口内炎、頻尿(自律神経症状)

・喉のつかえ、体の違和感(アリが這うような感じ)

・イライラ、不安、気分の落ち込みなどが不規則に起きる

患者さんはもともと自律神経が乱れやすい体質で下痢や便秘が出たり(過敏性腸症候群)、肩こり、抑うつ状態などが出やすかったようです。そして40代も後半の閉経時期に近付いた頃から上記のような多彩な症状が出てきて、困惑したようです。そのことを友人(当院の患者さん)に相談したところ更年期障害だろうということになり、婦人科を受診したそうです。そこの病院では症状がひどいのでホルモン補充療法と漢方薬をすすめられたようです。ホルモン補充療法には副作用などの面で抵抗があったようで、漢方薬を選択したようです。具体的には血管症状や自律神経症状に対して「加味逍遙散(かみしょうようさん)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」イライラなどの精神症状には「抑肝散半夏陳皮(よくかんさんかちんぴはんげ)」が処方されました。しかし、目立った効果はほぼ無かったようです。婦人科系の疾患に漢方はよく処方されているようですが、当院の患者さんからは効いたという話をあまり聞きません。それはなぜでしょうか?「漢方が」効かないわけではありません。漢方の運用を間違っているからだと感じています。漢方の運用というは現代医学的な考えとは全く異なります。漢方だけを専門に何年も勉強しなければいけないのです。そもそも「特定の症状にこの漢方」という考えはありません。例えば頭痛はタイプが十種類以上あります。本場中国ではそれぞれに違う漢方が処方されます。日本にも少数ですが正しい漢方の診断と処方ができる人が存在すると思いますが、滅多にいません。

さて漢方が効かなかったため、また友人に相談したそうです。その友人は婦人科系の疾患(月経前症候群:PMS)で当院の鍼灸治療で受けていて、大幅に改善した経緯がありました。そしてその友人を介して鍼灸適用かどうかのご相談があり、当院に来ていただくことになりました。

※ちなみに更年期障害に対して鍼灸治療が効果的であることは世界保健機関も認めていいます。(関連記事:WHOが認める鍼灸適応疾患

更年期障害の原因

女性は月経開始から常に女性ホルモン(エストロゲン)の環境下にあります。それが45ー53歳の更年期にナルト卵巣機能が低下して、エストロゲンの分泌が低下し始めます。エストロゲンは女性性器だけでなく、骨、皮膚、脳、血管などにも実は作用しているのですが、これらの組織はエストロゲンを要求します。要求するのにエストロゲンを分泌できないことから、脳内の他のホルモン(FSH)が急増してしまいます。一方では急増し、他方ではエストロゲンは減少し続けます。これをホルモンバランスの乱れと呼びます。そしてこのホルモンバランスの乱れが自律神経失調症状(交感神経緊張)などの多彩な症状を引き起こします。

更年期障害の鍼灸治療

初診でご来院された時には見るからに苦しそうな表情が見て取れました。なんとか治してさしあげたいとこちらも気合いが入ったことを覚えています。初めは交感神経の緊張状態をやらわげるために背中や頸部を中心に針治療を施しました。また東洋医学的な観点では肝経というラインの気の乱れという見立てから、足の甲(太衝)、膝(血海)などのつぼへの針治療を。安神(安心)のつぼである頭頂部のつぼ(百会)への針を施しました。初回の施術をし終わったあたりから体が良い方向に動いているような実感があったようです。目が明らかに明るくなっていました。おそらく改善への希望を感じたことも大きかったんだと思います。初診の次の日にはここ数ヶ月感じなかったような気持ち良い感じになって何かやりたいとい意欲も湧いて来たそうです。1週間後の2回目にはほぼ同様の治療とソフトなあん摩・マッサージをしました。やはり効果はてきめんで、さらに改善していったようです。2ヶ月ほどは週に1回ほどのペースで来ていただいて、ある程度改善してたためその後は月に1、2回の頻度で軽く治療しています。患者さんもあんなに治らなかった更年期障害や、若い頃から悩まされていた自律神経症状が改善してことにびっくりされていました。

私としても更年期障害を始め婦人科系の疾患に鍼灸が効果的であることをもっと知っていただきたいと思ってこの記事を書いています。更年期障害で悩んでいる方はぜひ私にご相談ください。

更年期障害のセルフケア

・鍼灸と併用しておすすめしていることは、その人に合ったプロテインやサプリメント(ソイイソフラボンなど)の摂取です。※当院で患者さんに販売することはありませんのでご安心ください。ご本人で買っていただきます。

・強張りの強い患者さんは、少し改善してきたらジョギングやHIITなどの有酸素運動をおすすめすることが多いです。

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