自律神経失調症の方のための服装

冷えや発汗がうまくいかない自律神経失調症。冬場の服装はどうする?

自律神経失調症の方のための服装というタイトルにしましたが、必ずしも自律神経失調症という診断を受けた方に限りません。もともと多汗や冷え症、更年期障害による発汗障害などの方にもおすすめです。

基本的に自律神経失調症の治療には鍼灸をおすすめしていますが、日常生活の柱となる衣服についてどのようなものが適切なのか書いていきたいと思います。

そもそも自律神経失調症という病態は人間が自律的に保っている機能(心臓、発汗、体温調節、消化器系など内臓全般)がうまく働かない状態のことです。(詳しくはこちら→自律神経失調症

自律神経失調症の患者さんの中には多汗などの「発汗」の異常を訴える人や、対応調節がうまくできずに体幹や四肢末端が冷えてしまう人が本当に多いと感じます。とくに冬は屋内と屋外での温度差が激しいため、汗をじんわりかいた後に汗がそのまま衣類の残ってしまうことで汗冷えをして風邪をひいたり、胃腸機能を低下させて下痢をしてしまうケースも実は多くあります。自律神経失調症の方はもともと外部環境の変化に対応しにくい状態なので冬はとくに辛いと思います。

そこで考えなくてはいけなくなってくるのが衣服の問題です。自律神経失調症の症状を抱えながらでも生活をしなくてはいけまえん。通勤、通学、お買い物など外に出なくてはなりませんよね。さてどんな衣服が適しているのでしょうか?

服装はいろいろと好みはあると思うので、ポリシーに合わない方は読み飛ばしていただいて結構です。

結論から言うと自律神経失調症や更年期障害など自律機能が乱れたときに適している服装は「登山ウェア」です。

レイヤリングという基本的な発想

私は登山やトレッキングが趣味なわけではないのですが、普段は家の中でも外でもアウトドアメーカーの服を着ることが多いです。理由は機能性が高いこと。特に冬は非常に快適です。もともと標高の高い山では選ぶ服を間違えれば低体温症で命を落とす危険性すらあります。つまり本気のアウトドアメーカーの服装というのはそれくらい慎重に衣類の素材を開発・選択しているのです。

まず、基本的な着こなし方として

ベースレイヤー(肌着、下着)、ミドルレイヤー(中間着)、アウターレイヤーという三層で着るという発想があります。

ベースレイヤーは直接肌に接しているので、汗の吸収・放散に適した素材であったり湿気は放散しつつ保温をするなど最も大事な部分だと思います。ミドルレイヤーはベースレイヤーで確保した温度を保つことがメインです。もちろん身体から出てきた余分な湿度を外に逃がします。アウターレイヤーは風や雨をシャット合うとするためのものです。この三層をしっかりしたものを選べば発汗異常や冷えがある人でも非常に快適にすごせます。

具体的にどんなものがおすすめなのか簡単に紹介していこうと思います。

◯ベースレイヤー

実はここが一番大事です。通勤などでスーツを着るため中間着やアウターを自由に選べない方でもベースレイヤーはどうにかなると思います。冬と肌着と言えばヒートテックが圧倒的に認知度、人気が高いと思います。もちろん私も着たことがあるのですが、発汗異常や体温調節がうまくいかない方にはあまり向かないと考えています。それは「汗抜け」が悪い素材だからです。「汗抜け」とは汗をかいたときに体温だけ残していかに湿気を外に逃がすかというものです。前述したように冬は屋内、屋外での温度差が激しいため少し汗をかいて綿の肌着やヒートテックをそのまま着ていると汗冷えしてしまい、下痢になったり風邪になる方もいます。ヒートテックは普通に着ている分にはそこそこ暖かいのですが、汗をかいた後に問題が発生することがあります。

おすすめの肌着はモンベルのジオライン(M.W.)とジオライン(EXP.)です。EXP.の方が保温力が強く標高の高い雪山にも対応できるレベルです。汗や湿度がたまっても湿気だけは外に出します。他にもパタゴニアのキャプリーン素材(厚さで3種類ある)などもたしかにおすすめなのですが、コストパフォーマンスから言えば圧倒的にモンベルです。どちらも持っていますがモンベルで十分だと思います。ちなみにタイツもジオライン素材のものがあるので履かれる方はぜひ履いてみてください。

ちなみにジオラインは肌着で5000円前後の値段になりますが10年ほど機能を落とさず着続けている人もいるようです。

◯ミドルレイヤー

肌着はたしかに保温性もあるのですが発汗異常や自律神経失調症を抱えた方にとっては室内でもそれ1枚では少し心もとないです。中間着としてはフリースがおすすめできます。これもユニクロのフリースよりも本気のアウトドアメーカーがおすすめです。機能性の追求した衣類全般に言えることなのですが、デザインを抜きにした場合衣類はブランドよりも素材メーカーで選びます。もし金銭的に余裕のある方であればポーラーテック社が開発したPolartec Thermal Proという素材が非常に暖かく簡単にへたりません。これも10年以上着続けている方もいるようです。この素材を使ったフリースを発売しているブランドはパタゴニア、カリマー、ノースフェイス、ノローナ、ホグロフス、マーモット、マウンテンハードウェア、マムート、ミレー、モンチュラなど複数あるのでお好みのデザインを選んでいただいたほうがいいと思います。ただ、注意が必要なのはパタゴニアなどブランドによって非常にタイトに作られているものがあります。それは見た目よりも機能性を追求しているからなのです。ですので一度お店で試着して決めたほうが良いと思います。

ポーラーテックではありませんが、コストパフォーマンスとして優れているのはやはりモンベルのフリースではないでしょうか?基本的に中間着として着るならどれを選んでもいいと思うのですが、あえておすすめするならクリマプラス100やシャミースジャケットなどのフリースです。

◯アウターレイヤー

ベースレイヤー、ミドルレイヤーをしっかりとしたものを選んでいれば街着としてのアウターはご本人の好みで良いと思います。ただ既にミドルレイヤーで保温は確保されているのでアウターは薄手のもので良いのではないかと思います。寒がりの方は薄手のダウンを着てもいいとは思いますが電車や室内に入ったときには非常に熱くなりますのでバッグなどにコンパクトにしまうことができるものをおすすめします。

まとめ

3層をベーシックな考え方としてお伝えしましたが、必ずしも3層である必要はありませんし、必ずしもご紹介したものが絶対であるわけではありません。ただベースレイヤーの肌着だけはしっかりしたものを着て身体を快適な状態に保ってください。

ユニクロなどに比べて多少コストはかかってもしっかりしたベースレイヤーを着て毎日を過ごしてください。冬場で自律神経失調症を悪化させることだけは避けていただきたいです。

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