毎年、3月・4月・5月頃になると自律神経系の愁訴(症状)や自律神経失調症が悪化してしまって当院にご連絡いただくことがあります。

 

具体的な症状としては首こり、肩こり、睡眠障害(不眠・過眠)、倦怠感(だるい)、頭痛、耳鳴り、めまい、便秘、下痢、発汗異常、月経不順、生理痛の悪化、イライラ、抑うつ、鬱、不安、あせり、などです。たいがいはこれらの症状のいくつかが同時に出ていることが多いと思います。これはもちろん大人に限ったことではなく、幼児などの子どもについても同じ傾向があります。子どもの場合、「どもり」、夜泣き、夜尿症(おねしょ)、疳の虫(夜泣き・奇声・落ち着きのなさ・癇癪・ひきつけ)などの症状が顕著に出てきたりしています。

 

この時期は芽吹き時(めぶきどき)や木の芽時(このめどき)と言って生命が大きく動きだす時期であったり、世の中が大きく動く時期です。

春というと非常に気持ちのいい季節で、不調とは関係がなさそうにも思えるのですが、なぜこのように人間は不調に陥るのでしょうか?

一点目は人間を初めとして生物全体がその内面から大きく動いてしまう時期であるからです。大きく動くということは成長することでもあるので心身には負荷になります。人間にとって良いことであっても「変化」というものはストレスなのです。生物は変化に対して良い悪いという判断をせず、大きな変化に対してはストレスであると感じてしまいます。その変化に対応するために自律神経や内分泌系が自然に動きだしてしまうのです。

二点目は生物としての自然な変化ではなく、社会的な変化も重なってくることが大きいです。春だからと言って自分自身にあまり大きな変化がなかったとしても日本の企業・学校などの組織は大きく変化をするのが毎年の常です。企業では異動・転勤・退職・転職、学校では卒業・入学があり、大きく変化しますね。ですので仮にご自身に大きな変化がなくても、周囲の人たちの多くは変化(ストレス)にさらされているのです。みんなの心や身体がなんとなくざわざわする時期なのです。人と関わらない人は少ないと思いますので、周囲の人の心がざわついてくればもちろんその波は自分の心の中にも知らず知らずのうちに影響を与えてしまうものです。

 

もしこの時期に自律神経系の不調が出てきてしまったときにはどうしたらいいのでしょうか?

症状が軽くてさほど気にならない場合は、「不調がでやすい時期なんだ」ぐらいに思ってやり過ごせばいいと思います。それを心の中に思っているだけで自分を客観視できるので、人間関係やご自身の精神に対しての影響を減らすことができます。また身の回りに必要以上の変化を起こさないようにすることも大切です。もしその変化をご自身でコントロールできる場合にはそれを延期するのも一つの考え方だと思います。

一方で症状が切実であったり、社会生活や人間関係に影響を与えそうな方はぜひ自律神経の症状に強い鍼灸専門院の治療を受けてください。鍼灸は自律神経系の症状に効くのですが、そういう治療を得意とする鍼灸院は意外と少ないものです。もし藤沢、辻堂、茅ヶ崎、鎌倉などの湘南エリアの方はぜひ当院にご連絡ください。肩・腰・関節の痛みの治療は当然ですが、自律神経失調症や自律神経系の愁訴に関しての治療は非常に得意としています。

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